西中村ニュータウン開発前夜(1978年)の地図

新中村駅を中心とした、市内最大規模の西中村ニュータウン。ニュータウン造成前はいまとは異なる姿でした。

西中村ニュータウン開発前夜1978年の地図

こちらは1978年、西中村ニュータウン造成中の地図です。新中村駅付近だけは造成されてており、その周囲は赤い線で縁取られた、計画道路が描きこまれています。ニュータウン造成前は、野山が広がる丘陵地だったと言いますが、地図を見てもそれが伝わってきます。首都圏の人口増による住宅不足解消を目的に、突如ここは新しい街へと生まれ変わったのです。

そのニュータウンは今、どうなっているのでしょう。

同じエリアの現在の都市地図

こちらが同じエリアの現在の地図です。全域が造成されたかと思いきや、案外そうでもありません。新中村駅を南北に貫通する予定だった新幹線はここに建設されず、中村駅を通ることとなりました。建設予定地は「風の通りみち」という緑道になります。新幹線の駅としてオフィスビルを建て、職住近接の街を目指しましたが、そこまでの中心性も発揮できず、やがてはニュータウン造成エリアを縮小することとなります。ニュータウンの西側は、造成計画が塩漬けになったままで、今でも野山と農家が点在する様子を見ることができます。

しかし、造成された地域は大きく変貌を遂げています。新旧の地図を比較すると、そのダイナミックな変化が見えてきます。

※空想地図を描くのに一番難しいのは傾斜地の住宅地でした。傾斜のある住宅地を描く際には、造成前の地形を考えた上で、それをならした結果(現状)を描いていきます。「造成前の地形」を描いた結果、副産物として古地図が生まれました。(古地図が現時点でこの地域だけ存在するのも、ここが難しかったためです)