あらゆる空想地図の紹介

空想地図のはじまり

空想地図が初めて描かれたのがいつかは分かりません。国内では分かっている限り本居宣長(1730〜1801)「端原氏城下絵図」でしょう。空想地図はそこからの潮流がある…訳ではなく、多くの場合、同じことをしている人の存在や似たような地図の存在を知らないまま、個々の試行錯誤によって始まっています。また、海外にも空想地図およびそれを描く人がいます(URBAN GEOFICTION)。近年では、あいちトリエンナーレのメインを飾った作品もまた架空の地図でした(Jerry’s Map)。

空想地図・架空地図関連のツイートを見る

空想地図の話をすると、ほとんどの場合「こんなことしてる人初めて会った」と言われます。しかし案外、友人知人の中に、密かに作っていた人がいるのではないかと思います。というのも、実は描いている人が少数ながら一定数おり、その人達は多くの場合、このことを言わない傾向にあります。

インターネットの登場で、発見される空想地図

地域を空想する動きは、空想地図だけではありません。架空の国家の設定やスポーツチームを空想する人もいれば、実在する地域に架空の鉄道を空想する(架空鉄道)人もいます。こうしたニッチ趣味者は、2000年代初頭から、2ちゃんねる(ログ)を通じてか、Webを開設することでその存在が知られるようになりました。その後、空想地図は時折各種メディアや人づてに紹介され、認知が僅かに広がることになり、最近では「実は私もやってました」というカミングアウトが増えてきています。 いろいろな空想の世界へ 架空の地図(架空の鉄道、架空の国家含む)がインターネットに登場してからの動きやWebサイトは、うねおかさん作成の架空都市レファレンスにまとめてあります。

WebサイトからTwitterへ

2000年代以降、空想地図作者は個人でWebサイトを作るか、2ちゃんねる等を通じて若干のコミュニケーションをする流れはありましたが(私は前者のみでした)、2010年代に入ると、Webサイトを開設せずとも画像を投稿できるTwitterの登場で、より多くの空想地図が見られるようになります。いまや新しい空想地図はTwitterにあり、と言っても過言ではありません。

それでは実際に見てみましょう

※当サイト内、地理人作の地図および創作物の利用・活用は自由ですが、下記作者の地図および創作物の利用・活用等は、作者にお問い合わせ下さい。

市販の地図や地形図

ANOTHER CITIES@ibrn_

詳細な都市地図から広域の地図、さらには街の日常を嗅ぎ取れる風景、エピソード、ロゴまで…全てが圧巻、日常の破片も味わえる世界です。

空想まちある紀@kswdn

「空想のまちへ」コンテンツ内に空想地図があります。城下町中心部の地図の他、建物1つ1つが描かれた拡大図のリアリティに注目です。

275きろぼると@275kV

多くの人が注目しなかった未開の地、言葉で形容し難い大都市郊外の「あるある」をシッカリとつかんで、詳細な都市地図で再現しています。

新たまがわ@pededeck

こちらも大都市郊外のリアリティを地図で詳細に再現。旧来の集落と区画整理された新市街地、造成中の市街地のコントラストが鮮やかです。

MAP CREATION@Lyserk_Acid

等高線が描かれた地形図で、城下町から工業都市、海岸から山間部まであらゆる地域のリアリティに迫ります。タモリ倶楽部放映以降、エリア拡大中。

畝丘市@city_uneoka

タモリ倶楽部で「手書き地図」として紹介された畝丘市は「デジタル立体マップ」を思い起こす立体感のある都市地図に。地図デザインも試行錯誤中です。

散策家しかすけ@shikasukeito

都市の地図から、土地の境界が見える地籍図、海外地図、鳥瞰図風のイラスト地図まで、架空の地図表現の可能性の開拓を、実は密かに楽しみにしています。

現・想博物館@Gingarenpo

山あり、街あり、海あり…多様な顔を持つ都市の姿が地図で見られます。そして、手書き地図の描画領域の広さが圧巻。かなり広い範囲が描かれています。

想像地図研究所@koridentetsu

描画領域最大(と恐らく描画時間最大)の地図がこちら。広域縮尺の地図で日本並の国を全国カバーすることを目指し、絶え間なく地図を描き続けています。

手仕事に圧巻!手描き地図の世界

り〜べ@Ribe_19

手描きで紙の大判地形図の大きさに挑む。しかし最近の地形図は建物形状が描かれていて手強いのですが…なんと手書きで全ての建物の描画を進めています。

中命 地図@ccyt74

手描きで広域の道路地図を描いています。地形を投稿線で丁寧に再現した上で、鉄道、高速道路、国道がその地形をどう越えていくかが見て取れる地図です。

いちのへ にのへ@Daiwakoku

こちらは縮尺1万分の1と思われる手描きの都市地図です。地図が描かれる過程に要注目です。(そして私と同じ模造紙を使っている・・・)